患者数が多い指定難病について

発病の機構が明らかでなく、治療方法が確立していない希少な疾病のことを、日本では難病と呼んでいます。厚生労働省は、医療費助成の対象となる難病を「指定難病」として指定しており、2024年4月の時点で、341の疾病が指定難病に指定されています。指定難病と診断された患者は、医療費助成を受けることができます。

難病は、全体数を見て患者数が少ない疾病のことを指しています。その難病の中だけで見て、比較的患者数が多い疾病はあります。今回は、その患者数が多い疾病に注目し、概要を紹介していきたいと思います。

まず最初に挙げられるのが、パーキンソン病です。こちらは脳の神経細胞が変性し、ドーパミンという神経伝達物質が減少することで、手足の震えや筋肉のこわばり、動作が遅くなるなどの症状が現れる病気です。パーキンソン病は、進行性の病気であるため、症状は徐々に悪化していきます。

次に挙げられるのが、潰瘍性大腸炎です。こちらは大腸の粘膜に炎症が起こり、潰瘍やびらんができる病気です。下痢や血便、腹痛などの症状が現れ、重症化すると、大腸がんのリスクも高まります。原因不明の難病で、根本的な治療法はまだ確立されていません。

そして、全身性エリテマトーデスという疾病もあります。こちらは、自己免疫疾患の一つで、免疫システムが誤って自身の身体の組織や臓器を攻撃してしまう病気です。この攻撃により、皮膚や関節、脳や臓器などに炎症や損傷が起きる可能性が高まります。完治は難しいとされていますが、適切な治療および自己管理によって、症状をコントロールすることは可能です。